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どこかで拾ってきた、アタリマエなことを、自分なりに考えてみる場所。
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野望達成のため、雑感をまとめる修行中。
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2024年12月28日 (Sat)
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2015年05月25日 (Mon)
友人・Kに「面白そうだから観ようよ!」と誘われ、
「屋根裏」5月17日夜の公演に行ってきた。

平成27年度天プラ・ホールセレクション「屋根裏」


以下、重要な演出や本編のネタバレ等には一切触れてないけど
ほんのり内容に触れているので折りたたみ。

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「舞台を所狭しと使う演劇」はよく見聞きする。
舞台は「どうやって狭い舞台を広く使うか」を考えるものだと思ってた。
けど、「意図的にとても狭くした舞台」は初めて聞いた。
(狭い所で演る、のではなく、狭くして演る)
台形に切り取られた舞台をみて「面白そう!」と思ったし、
なんかいろいろスゴイ賞を受賞してるみたいだし、
ずっと演劇を観てなかった私の重い腰を動かすには充分だった。

本編はそんな生易しいもんじゃなかった。

観終わった後、アンケートに「何を書いていいのかわからない」と正直に書いた。こんな感想を書かされた作品は初めてだ。
サンホラを嗜む者として「屋根裏」というキーワードに警戒心が足りなかった。
絶食していた胃袋に揚げたてじゅわじゅわのトンカツを14枚(舞台上で展開された話の数)ぶちこまれたような気分。
リビングや台所、玄関で行われるものではなく、まさしく「屋根裏」を舞台とするに相応しい、様々な人間による人生の一幕が次々に展開されていった。
思春期の鬱屈、若者の孤独死、社会をドロップアウトしたものの憩いの場、逃避行、密会、逢瀬、犯罪……
役者さんたちが過剰なメイクを施さず、極めて一般的な顔であったことにも起因するように思う。美男美女ではなく、華美さのない一見「普通」に見える人たちが、研ぎ澄まされた身体能力と演技で、トンカツ1枚分くらい重い話を次々に重ねていく。そういった意味ではまさに「演劇」として面白い作品なんだろう。
(舞台になる「屋根裏」は大人2人が体育座りできるくらいのスペースしか無い。
 そんな空間で役者さんたちは「動いている」と客席から判断できるくらい動き回っていた。彼らの身体能力の高さを証明していると思う)
不条理劇だ、と結論付け、「わからなくても仕方がない」無理やり納得させるには道理が通り過ぎてるし、かといってもちろん一般的な大衆演劇でもない。
「素晴らしい!」と手放しで絶賛するにはあまりにも私の許容範囲を超えていたが、
「つまらない」と無碍に否定するようなものでは決して無い。
絶食明けに食らった1ダースを越える量のトンカツに、目を回してしまった。

でも次、もし近所でやる日がきたら、何も知らない他の友人に「あれ、観に行ってごらんよ」と薦めると思う。

【オマケ・元アマチュア劇団員としてのつぶやき】
「屋根裏」のデザインやしかけをはじめとして、シンプルな舞台装置の中に、
「あんなことも出来るように作られているのか」「あんなもの用意出来るの良いな」
と、端々に「おっ、すごいな」と思わせられるポイントがあった。
それはつまり面白い演出を支えられるだけの素晴らしい技術とそれを支えるだけのお金があるということ……羨ましい……
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