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P R
Twitterで時間を潰していると、ある一定の周期で目にする話題があります。
そのひとつが「元ネタを把握する必要性」。
具体的に一例を挙げるならば、アニメ『ダンガンロンパ』放映時。
絵本を元ネタにした1シーンに対して、その絵本を知らない人たちが混乱に陥ったとか何とか。
私自身も親しんだ、世界的に有名な絵本である一方、実際に知人の中に「知らない」と言う者がいたことも併せて、より一層身近に感じた出来事です。
それを差し引いても、『元ネタ』論は創作畑の末席にいる自分からも非常に興味深い話題。
折に触れて(つまり、暇な時に気が向いたら)考えていました。
今のところ、出た結論としては
「媒体が何であれ、それが創作物である以上、不要とも必要とも断定することは傲慢である」
「それを知ることで製作者との距離が近くなる」。
……このブログの名に恥じない、“当たり前”のものでした。
良いんです。そういうところですから、ココ。
私がこの話をしようと思ったのは、ある小説を読んだことがきっかけです。
『ラザルス』(著・アンドレーエフ レオニード・ニコラーエヴィチ 訳・岡本綺堂)
以下、ネタバレっぽいことも話すので折りたたむ。
そのひとつが「元ネタを把握する必要性」。
具体的に一例を挙げるならば、アニメ『ダンガンロンパ』放映時。
絵本を元ネタにした1シーンに対して、その絵本を知らない人たちが混乱に陥ったとか何とか。
私自身も親しんだ、世界的に有名な絵本である一方、実際に知人の中に「知らない」と言う者がいたことも併せて、より一層身近に感じた出来事です。
それを差し引いても、『元ネタ』論は創作畑の末席にいる自分からも非常に興味深い話題。
折に触れて(つまり、暇な時に気が向いたら)考えていました。
今のところ、出た結論としては
「媒体が何であれ、それが創作物である以上、不要とも必要とも断定することは傲慢である」
「それを知ることで製作者との距離が近くなる」。
……このブログの名に恥じない、“当たり前”のものでした。
良いんです。そういうところですから、ココ。
私がこの話をしようと思ったのは、ある小説を読んだことがきっかけです。
『ラザルス』(著・アンドレーエフ レオニード・ニコラーエヴィチ 訳・岡本綺堂)
以下、ネタバレっぽいことも話すので折りたたむ。
簡単に設定を話すと、
死んだラザルスが、三日後に墓から蘇った。
彼の復活に周囲は大喜び。
しかし、死は、生前の彼から快活さを奪い、真っ暗な「恐怖」を与えていたのだった。
そんな話です。
黄泉がえりって言うと、生前の元気な姿そのままヤッター! って感じを想像しがちですが、ラザルスは死斑が浮き出た身体をそのままノソノソ引きずってます。
作中の表現を借りるなら「死に依るところの肉体の破壊作用が単に奇蹟的に停止されたというだけ」。
単純に言えばゾンビを想起するような……腐臭がする描写は無いんですが、血の巡りは確実に悪くなってそう。
まるで墓標のように語らず黙する彼の瞳には、「恐怖」が宿っています。
彼の瞳を見たものは、彼と同様に死の恐怖をまざまざと味わい、その存在に支配される……
彼の奇妙な二度目の人生を描いたこの作品。
怖いものが大の苦手な私に、過分な恐怖を与えすぎること無く魅了した素晴らしいものです。
で、素敵な作品を読んだ後は、ちょっと他の人の感想も読みたくなるのが人の常。
早速タイトルで検索してみると、ひょこんとweb英和辞書がヒットします。
Lazarus【名詞】
1 キリストの金持ちと貧乏人のたとえ話に出てくる病気の乞食
2 墓に入れられてから4日後にキリストが死から蘇らせた人物
恐らく『ラザルス』の元ネタでしょう。
私はキリスト教圏の人間ではありませんから、この話を『変わったゾンビもの』だと受け止めておりました。
それだけでもこの話は十分に魅力がありました。
しかし、キリストの奇跡が元ネタになっているのだと知ると、また違った闇が作品に影を落とすのです。
死斑を身体に残した醜いラザルスは、そして彼が送った二度目の人生は、とても奇跡として崇めたくなるようなものではありません。むしろ、魔のものの所業、なような……
たかが元ネタ、されど元ネタ。
それだけに支配されるのも(如何に正しく元ネタを把握しているか云々)避けるべきですが、文章上のみに現れているものから、より深く感じ取れるのも悪いもんじゃねぇなあ。
そんなおおざっぱな感想を抱きました。
で。
以上の内容を実験的に動画配信もしてみました。
作品がそれなりに長かったので30分枠を2つ消費してしまいましたが……
よろしければこちらもお楽しみください。gdgdですが。
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